スタッフブログ
トップ > スタッフブログ > 椅子がこわい

椅子がこわい

こんにちは。松田です。
大型連休も終わり札幌のサクラは散ってしまいましたが(八重桜はまだまだ見ごろですね)、ライラックの開花が楽しみになってきました。
これからも暖かい春を楽しんでいきたいですね。
 
今回は最近読んだ一冊の本をご紹介したいと思います。
51YX3Y72F5L._SX336_BO1,204,203,200_
たまたま図書館で借りて読んだのですが凄い本でした。
著者の夏樹静子さんについては名前だけは聞いたことがあるくらいで、他の著作も読んだ経験がありませんでしたし、数年前に物故されていたことすらこの本に出会うまで知らなかったくらいでした。偶然には感謝したいと思います。
 
腰痛に苦しんだ夏樹さんが様々な治療を受けて回復を試みる内容ですが、たかが腰痛と甘く考えることが大きな間違いだということに読み進めていくとお分かりになるかと思います。
ときに「死を頭に浮かべた」とのことで、その凄まじさが伝わってきます。
タイトルの椅子が「こわい」。その切実な辛さが伝わってきて読者もまた「恐怖」を感じるようになってくるのです。
 
鍼灸や痛み止めの注射はまったく効果がなく、身体の器質が原因ではないことが明らかになっていきます。
さらに精神科にも通院することに。処方された抗うつ薬が一時期には効果を発揮するものの、次第に薬の効き目が無くなっていき、また地獄のような腰の痛みに悩まされるのです。
最終的には心療内科に入院することになるのですが、どのように治癒されたかはぜひお読みになっていただけたらと思います。
闘病記と銘はうっているもののさすが推理作家の文章。謎を追い求めるサスペンスのようにグイグイ引き込まれる内容となっています。
 
この本が書かれた時期が今から四半世紀近く前のことで、当時は心療内科や心身症といった用語がまだ現在より一般的ではなかったことも踏まえると、時代的にもメンタルヘルスへの配慮を喚起させる先駆けとしての役割があった本だったのかもしれません。
 
こころの潜在意識が身体に大きな影響を与えることへの驚愕と脅威、そして不可思議さを十分に伝えてくれる素晴らしい本でした。